先日の「ナイトスクープ」では、市居の薬剤師の方で、趣味の数学にのめり込んだ末、夢の中で素数について大発見をしたという依頼者が登場しました。
数学の専門家5人を巻き込むシリアスな内容となり、非常に興味深かったので内容を紹介します。
岡山県の薬剤師、西井誠(44歳)さんの依頼内容
私は世界を驚かす大発見をしました。
それは歴史上誰も解けなかった謎、数学の素数の難問を解いてしまったのです。
私は子供の頃から不思議な夢をよく見てきましたが、なんとおよそ1年前、夢の中に素数の難問を解く鍵が突然現れたのです。
これはもう大発見以外の何ものでもありません。
数学は素人の私ですが、これが世に知られれば、現在日本では3人しか受賞していない数学界のノーベル賞とも言えるフィールズ賞も夢ではないはず。
どうか世に発表する機会をいただけないでしょうか。
一冊の本から素数にハマる
家族にも知人にも誰にも話をきいてもらえないという西井さん西井さんはブルーバックスの「素数が奏でる物語」という素数の本を繰り返し読んで洞察を深めたという。
素数が奏でる物語 2つの等差数列で語る数論の世界 (ブルーバックス)
- 著者西来路 文朗,清水 健一
- 価格¥ 972(2017/09/12 00:09時点)
- 出版日2015/03/20
- 商品ランキング197,132位
- 新書232ページ
- ISBN-104062579065
- ISBN-139784062579063
- 出版社講談社
特に本の中で、
「また、π(n2)<π((n+1)2)であること、つまり連続する2つの平方数n2と(n+1)2の間に必ず素数が存在することが予想されていますが、未解決の難問です。」
という一節が強く印象に残ったという。
西さんが夢の中で見た不思議なピラミッド
西井さんは夢の中で見た不思議なピラミッドについて説明する。それは大きな立体のピラミッドで、その周りを飛ぶことができたという。
表面には光のバッテンのようなものがあった。
夢で見たピラミッドを元に作った模型
夢の中で動くことに気づいて押してみると、角集まりになった。
西井さんは目が覚めてから、夢で見たピラミッドに数字を当てはめた。
右上から1から順に数字が書かれている。
素数は黄色になっているが、西井さんの夢の中のルールでは黄色は素数を表すそう。
これを重ねてみると、斜めのラインが浮かび上がる。
集まった5人の専門家
西井さんのアイディアが世紀の大発見となるか判定してもらうべく5人の数学のスペシャリスト達に集まってもらうことに。
- 広島国際大学 西来路 文明教授(「素数が奏でる物語」の著者の一人)
- 岡山大学/岡山理科大学 清水健一先生(「素数が奏でる物語」の著者のもう一人)
- 数学教育ライター 鍵本聡先生(ブルーバックスで多くの著書を持つ)
- 講談社ブルーバックス 副編集長 善戝康裕さん
- 大阪大学大学院生 関真一朗さん(素数の研究をしている)
なんと西井さんが素数にハマるきっかけとなった、「素数が奏でる物語」の2人の著者も!
専門家らの前で堂々と夢で見たピラミッドについて説明する西井さん
専門家の一人の関さんは、
素数が斜めに並んでいることが気になるという。
関さん「斜めに並ぶと、オイラーが見いだした2次式が手に取るように視覚的に分かる。
もしこれが誰も発見していなかったら、西井のピラミッドとなる可能性があるかもしれない」
専門家たちもこのようなアイディアは過去に見たことがないという。
結果は…依頼者の証明には数学的に不完全な部分があり、難問が解けたとまでは言えないという。
しかしこのアイディア自体はまだ発見されていないかもしれない。
世紀の大発見か!
調べた結果、西井さんのアイディアと似たものが発見されていた。クローバーの三角形と呼ばれているもので、1932年にアメリカの学者クローバーが提唱した考え方だという。
残念ながら大発見ではなかったが…
クローバーの論文は英文のみ。
「夢」でこの考え方に辿り着いた西井さんを専門家らも称賛すると、
西井さんは「やってて良かった」と喜びを表した。
現代のラマヌジャン?
数学界で有名な話。ラマンジャというインド魔術師と言われる天才数学者が、
夢の中で女神様に問題を教えてもらって、それで公式を発見する数学者がいたという。
西井さんはそれに似ている、と専門家は言う。
夢で着想を得るには?
「夢を見るためには勉強をしなくてはならない」という西井さん日々勉強を続ける中で、ある日思いもよらないアイディアの夢を見ることができるそう。
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